研究室でのサバイバルなブログ

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もし理系大学生がカップ焼きそばの作り方を書いたら

ちょっと古いですが、「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」という本がブームになりました。世界の文豪たちの独特な文章表現で、カップ焼きそばの作り方を書くというユニークな切り口です。

 

もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら

もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら

 

 

私も書いてみたくなったので、理系大学生という建前でチャレンジしてしました。

しょせん素人がが書いた駄文なので、暇つぶしとして読んでください。

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まずカップ焼きそばをスーパーから買ってくる。もちろんこれは研究室の経費では落ちない。悲しいことだが仕方ない。

 

そしてパッケージに記載されている調理方法に目を通す。間違えても作りながら読んでいけばいいだろうとは思ってはいけない。実験計画に目を通しておくのは研究者として当然の義務である。事故が起きてからでは遅いのだ。さらに、使用する薬品は何か、どのような危険が想定されるかまでリストアップしておくのが望ましいが、腹の減りを抑えきれないので、これは参考文献に示しておく。

 

まずはお湯を沸かす。理系なので熱源にガスバーナーを使うだろうと思ったならば、それは誤りである。道具は常に必要十分条件なものを使えばよい。どうしてゴキブリ一匹を殺すために、ミサイルを使う必要があるのだろうか。なので今回は、研究室にある電気ポットを使うことにする。これが化学実験であれば、水は精製された(不純物がほとんどない)蒸留水を使うべきであろうが、その必要はない。ミネラルウォーターを使う。お湯ができたら、焼きそばに注ぐ。表記には内側の線まで注いでくれを書いてあるが、この線が識別しづらい。

ガラス器具であればメニスカスを判断できるのだが、カップ焼きそばの容器は不透明であるためそれが不可能である。ゆえに湯量に関しては目分量で判断するほかない。

熱湯を注いだあとの待ち時間は3分であるが、この“3分”が問題である。理系ならば、必ず知っているであろう有効数字の問題である。果たして有効数字1桁と判断してよいのであろうか?もしそうであるならば、待ち時間は3.00000000…..分ということになる。(ピッタリ3分間)しかしそれはあまりにも不適切な指示である。しかしこのような思索をめぐらしている間に、もう3分が経過してしまった。仕方なく、湯切りをする。このときのお湯は、そのまま流し台に捨ててよい。一見当たり前のように聞こえるが、これはすごく大事なことだ。実験室では使用後の薬品の処理は細かく定められており、種類ごとにポリタンクに入れて、専門業者に処分してもらわなくてはならない。万が一重金属を含んだ廃液を流しに捨ててしまったら、お上の指導を受けることになり、最悪下水を止められてしまう。

では続きにいこう。もし完璧な湯切りを目指すのであれば、カップ焼きそばを遠心分離機にかけるのは有用であるかもしれない。しかしそんなことに時間と金を浪費すべきではない。湯切りが済んだら、後はソースとふりかけをかけて完成である。それから、一連の流れを実験ノートにメモを取っておくのを忘れてはならない。もしもあなたが、「カップ焼きそば作りの科学的な考察」とかいうタイトルで論文を発表したとしよう。あなたが本当にカップ焼きそばを作ったどうか疑われたとき、その実験ノートがあなたの調理を証明してくれるのだから。