大学の熱力学の授業が意味不明でも大丈夫!試験前対策にこの1冊を買え!!
こんにちは、
きれいなお姉さんに勉強を教えてもらいたい、
キングスマンです。
大学院の2次試験をなんとか突破した私です。試験範囲に熱力学が含まれていたので、1,2年生の時に習った熱力学を復習する必要がありました。
授業では、熱力学の鉄板テキストともいえるアトキンスを使っていました。
- 作者: Peter Atkins,Julio de Paula,中野元裕,上田貴洋,奥村光隆,北河康隆
- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 2017/03/01
- メディア: 単行本
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関係ない話ですが、去年、アトキンス物理化学の第10版が発行されたようですね。
私が1年生の時に買ったアトキンスは、第8版でした。
- 作者: Julio de Paula,Peter Atkins,千原秀昭,中村亘男
- 出版社/メーカー: 東京化学同人
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 大型本
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図書館で第10版をぺらぺらとめくってみましたが、そこまで大きな変更はないような気がします。(ちょっと余白が多めになった?)
アトキンスは内容が詳しさと分かりやすさを兼ねそろえた名著だと思います。しかしページ数が多いので物理化学の全体観を身に着けるのには向いていない気がします。
また、必要以上に詳しすぎる説明によって、細かい点が気になりすぎて、テンポよく学習しにくいです。
おすすめの物理化学の参考書
そこで、こちらの1冊をお勧めします。
250ページで、熱力学第一法則から化学ポテンシャル、相平衡、電池のネルンスト式まで解説しています。
まずはこの本の冒頭にある「はじめに」を引用します。文章から、筆者の人のよさ?が分かると思うので。
化学系や生俞系の学科の学生諸氏にとって,最も難解な講義の1つとして挙げられる「化学熱力学」,高等学校で理想気体の状態万程式を学んでいる ので,講義の最初の数回はなんとかなりそうだという気にさせられる· しか しそれもつかの間、抽象的な物理量や概念が次々と出てきて,いったいそれ が何モノなのか,そしてまたいったい何に使えるのか, さっぱりわからなくなる. とりあえず、試験は突破しなくてはいけないので,試験直前に重要な 式とその導き方だけをとりあえず暗記…. これが初めてこの難解かつ抽象的な学問体系に接するときの普通の学生の感覚ではないだろうか? かくいう筆者も学部学生時代、実はそのような学生の一人だった.見える!使える!化学熱力学入門 はじめに p.ⅲ
「これが初めてこの難解かつ抽象的な学問体系に接するときの普通の学生の感覚ではないだろうか?」という一文に、私たち初学者はどれほど安心されられるでしょうか。もしも"はじめに"が、「物理化学は○○と××によって提唱され、今日まで現代科学... 」といった固い挨拶?だったら身構えてしまいますが、最初に共感から入ってもらうと物理化学に対して親しみやすいイメージがわきます。
ところで筆者は東京理科大学の教授です。
教授という学生には近寄りがたい存在から、まるで個別指導のチューターの方のような親近感を覚えます。
勉強へのモチベーションを引き出してくれる
「なぜそれを勉強するのか?それができたらどんな良いことがあるのか?」
勉強したくない人の言い訳のようにも思えますが、この問いに答えることはすごく大切です。ここで学生が「おおっ!」となるやり方で、モチベーションを引き出してもらえるとすごくうれしいです。
画像では見えにくいでしょうが、「見える!使える!」とサブタイトルにありますね。
本書には、熱力学の重要な概念が「見える!」ように、随所にわかりやすい図表が仕込まれています。
試験に説明問題が出てきても、丸暗記してきた解答ではなく、自分の言葉で説明できるようになるでしょう。
(見える!使える!化学熱力学入門 p.7より)
私はこの本で勉強してみて、今までエントロピーSと自由ギブスエネルギーG、自由ヘルムホルツエネルギーA、化学ポテンシャルμの使い分け、またそもそも何に使うのかさえを理解していなかったが、まとめ図からすぐに理解できた。
さらに問題を解くときに「使える!」ように、熱力学の数式をどのように用いるのかを解説している。章末には演習問題とその解説もついており、この本を繰り返し学習すれば、試験の計算問題も解けるでしょう。
読み進めていくうちに、だんだんと熱力学が分かってくるのは、もっと勉強しようというモチベーションになります。理解できれば、どんどん続きを読みたくなりますから。それくらい、丁寧に作られた参考書でした。